【意味】基礎用語(カ行)

カ行です。クラウドという新しい概念の言葉が多いです。

【仮想化】

物理的構成とは無関係に、コンピュータやネットワーク機器などを擬似的に分割、統合すること。

仮想化ソフトウェアを使用して、たとえば1台のサーバーコンピュータを複数のコンピュータとして論理的に分割し、異なるオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを立ち上げて同時に動作させたり(サーバー仮想化)、コンピュータ・ネットワーク上にある複数の外部記憶装置をあたかも一つの大きなストレージとして機能させて、大容量のデータを一括して保存したりする(ストレージ仮想化)ことも可能。

こうしたサーバーやストレージの仮想化ばかりでなく、ゲーム機器やネットワークなどについても仮想化は広く実行されている。

仮想化によるメリットとしては、ハードウェアを効率的に利用できることから、運用コストの削減や開発期間の短縮が図れることなどがある。しかし、仮想化ソフトウェアそのものがハードウェアの処理能力の一部を常に使用しているため、仮想化しようとする機器の規模や性能によっては、高速、高性能のハードウェアが不可欠になることや、サーバー仮想化の場合にはライセンス契約や通信の流れが複雑化し、管理者に専門的な知識が求められるといった制約もある。

 

ガベージコレクション】 

プログラムが使い終わったメモリーを自動的に解放する機能。

ガベージコレクションを持たないC言語では、アプリケーションが使用するメモリーの確保や解放を記述する必要がある。

プログラムのバグでメモリーが解放されない場合、OSやほかのアプリケーションがメモリーを使えなくなるエラーが起こる。これをメモリーリークという。

Java言語は、ガベージコレクションを実装しており、プログラマーは、メモリーの確保や解放処理の記述を省略できる。

 

QoS

クオリティーオブサービスの略語。

ネットワーク上での「サービス品質」、具体的には、通信帯域の予約と通信速度の保証をする技術の事を指す。音声や動画のリアルタイム配信等のサービスにおいて、QoSはなくてはならない重要な技術。

 

クラウドコンピューティング

インターネット上にある複数のサーバーを利用して作業を行うサービス形態を表した概念の一つ。ローカルなパソコン上で行う作業や機能を、ほとんどすべてネット上で実現できるようにした環境をさす。単にクラウドともいう。

ネットワークをイメージする図版で雲(クラウド)をよく使うことからきた表現。2006年にグーグル社CEO(最高経営責任者)であったエリック・シュミット(1955― )が初めてこの言葉を使ったとされる。

一般的にブラウザを介して作業を行い、ユーザー側は提供されるサービス内容のみを意識することになり、バックボーンのサーバーの構成や機能などは気にする必要がない。

このサービスを利用することで、アプリケーションのインストール、更新、メンテナンスの労力やハードウェアの維持管理に関する人的・物的資源、電力消費、設置場所の削減を図ることができる。企業の場合は、コストの低減化だけでなく必要な処理能力を適切なタイミングで利用できるようになり、経営の迅速化にも役だつ。

クラウドコンピューティングはネットワークを利用した分散処理による、ハードウェアやソフトウェア、システム全般にわたる仮想化技術の形態や方向性を示す概念であるため、そこに含まれるシステムやビジネスは多岐にわたる。ユーザーに提供するサービスモデル(クラウドサービスと総称される)は、大きく三つに分けられる。


(1)ネットワークやデータセンターなどのインフラ関連を提供するIaaS(イアース)(Infrastructure as a Service)

(2)データベースやユーザー・インターフェースなどアプリケーションを利用するための基盤や開発環境などを提供する、プラットフォーム関連のPaaS(パース)(Platform as a Service)

(3)メールやスケジュール管理をはじめ、さまざまなウェブアプリケーションサービスを提供するASP(Application Service Provider)やSaaS(サース)(Software as a Service)。

 

クラウドサービス】

クラウドコンピューティングを利用したサービスの総称。

仮想化技術を用いてサーバー構築、大規模データの保管、顧客管理業務などを行う企業向けのサービスと、スケジュール、連絡先、電子メールの管理やオンラインショップで購入したデジタルコンテンツを端末間で共有する個人向けのサービスに大別。

シンクライアントをよりネットワーク利用寄りに範囲を広げたサービス形態。

具体例にはGmailGoogleマップDropboxiCloudなどがある。